2017ファイナリスト 慶應義塾大学「ヨネコ」

キャリアインカレから起業へ。ビジコン成長青春物語 慶應義塾大学 岡本啓太郎 石橋裕大

キャリアインカレ2017において、ファイナリストとして見事決勝大会にコマを進めた慶應義塾大学の三人組男子チーム「ヨネコ」。
「電子ペーパー制の衣服」という奇抜なアイデアを披露したヨネコだったが、決勝大会で惨敗。
あれから2年経ち、メンバーのうち2人が起業したと聞いて話を聞いてきた。
そこで語られたのは、ビジコンで味わった屈辱とそこから這い上がってきた青春物語だった。
「キャリアインカレで人生変えられた」と語る二人の、青春起業物語をお届け!
*このインタビュー記事は2019年7月時点の情報を元にしています。

キャリアインカレの思い出。チーム名はおばあちゃんの名前!

決勝大会に向けた煽り画像。こんなノリでしたが、今ではスキルを身につけた立派な起業家です。

事務局:お久しぶりです!2年ぶりですね。

岡本さん石橋さん:お久しぶりです!

事務局:二人が起業したと聞いたので、今日はその話を伺いつつ、今更ですがキャリアインカレの思い出についてお話しいただきたいです。

岡本さん:あー、もうキャリアインカレ、2年前ですか・・。

石橋さん:僕はキャリアインカレで人生を変えられたので、たっぷりお話します。

事務局:おお、それは期待大ですね。まずは当時のことをお聞きしたいんですが、キャリアインカレ出場時はふたりとも大学2年生?

岡本さん:そうですね、全員、慶應商学部の2年生です。僕はもう4年生なので来年春、卒業です。

ヨネコでもリーダーを務め、現在も代表を務める岡本君。

石橋さん:ちなみに僕は留年してるので2年生を2回やってでまだ3年生です。

事務局:(笑)。そもそもどうしてキャリアインカレに出ようと思ったんですか?言い出しっぺは岡本くん?

岡本さん:いや・・・実は言い出しっぺはもういないんです。もともとリーダーが別にいて、彼女が石橋を誘って、石橋から僕は誘われたんですけど、そのリーダーは開始直後にチームから抜けたので・・・。

事務局:え、そうだったんですか?

石橋さん:確かミーティング3回目くらいで彼女は抜けちゃいましたね(笑)。なんかいまいちノリとかあわなかったみたいで。リーダーに集められたのにいきなりリーダーがいなくなる、という。

2年生時点で留年が決定していたので5年生突入の石橋君。

事務局:ヨネコ四人目のメンバーがいたのか・・・。でも言い出しっぺのリーダーがいなくなっても残りの三人はやろうと思ったんですか?解散にはならなかった?

岡本さん:僕ら三人で議論してみたフィーリングがいい感じだったんですよ。三人で何かやるのは初めてだったんですけど、得意な分野がそれぞれ違って議論しててもすごい楽しくて。それなら僕らだけでやってみるか、と。

事務局:ちなみにヨネコっていうチーム名の由来は?

石橋さん:僕のおばあちゃんの名前です。

事務局:爆笑

岡本さん:石橋の家でミーティングして騒いでたんですよ。そしたら石橋のばあちゃんに「うるさい!」と怒られて。罪滅ぼしのつもりでチーム名をおばあちゃんの名前にしよう。と。

事務局:それは笑えるなあ。でもそのチーム名で決勝まで行ったんですから、おばあちゃん喜んでるんじゃないですか?

石橋さん:喜んでるのかな?わかんないですね(笑)。

事務局:ではキャリアインカレ2017少し振り返ってもらいたいんですが、準決勝から。
注:2017年度大会は企業主催の1日型ビジコンで優勝するといきなり準決勝にすすめるシード権というシステムがあった。現在は廃止

岡本さん:準決勝では僕ら、プレゼンが一番最初だったんですよね。チーム名あいうえおアルファベット順にプレゼンするはずなのに、ヨネコの僕らが一番最初。

石橋さん:他チーム、チーム名で英語が多すぎるんですよ(笑)。

岡本さん:準決勝は波乱から始まりました。もうひとりのメンバーが集合時間に来ない、という。早めに集まってプレゼン練習するはずだったんですけど。

事務局:あ、そうだったんですね。どうして遅刻したんですか?

石橋さん:前の日、メンバー全員で夜中三時くらいまで練習してたんですよ。それでじゃあ朝に集合しようぜってなって一旦別れたんですが、そのまま寝ちゃって起きなかったみたいです(笑)。

岡本さん:あーもうこれだめだ、終わったわと思って。彼の分もプレゼンすることになるなと思ってプレゼンパートを石橋と二人でまた割り振ってセリフ覚えないとって。

石橋さん:でもギリギリで何とか到着してくれて。来るんかい、と(笑)。めちゃ笑えました。

岡本さん:でもあれで何か気が抜けたんですよね。もう駄目だと思ってたので最後までちゃんとプレゼンが終われればいいや、位の気持ちに一回なったので。それで準決勝では肩の力抜けてプレゼンできました。

事務局:勝てると思ってましたか?

岡本さん:僕らが一番最初にプレゼンした後に二番目以降のプレゼン聞いてて「いけるかも」と思っていたんですが、一番最後にプレゼンした九州大学のチームがすごくて。うわ、負けたわって思いました。

石橋さん:彼らのプレゼンは原体験が元になってたんですよ。だからビンビン伝わってきて。アイデアもいいけどプレゼンもすごいうまくて。僕も負けたと思ったんですけどね。

事務局:どうして勝てたんだと思いますか?

岡本さん:やっぱりキャリアインカレは斬新さとか革新性が求められるじゃないですか。そこですね。テーマ出題企業からのフィードバックで「もっと新しくてぶっとんだものを求められてるんだな」と感じたのでそこを押していきました。本当のビジネスとしての強度だったら向こうの方が上だったかもしれませんが、キャリアインカレの企業のニーズに合っていたのは僕らだったのかなと。

圧倒的敗北感。自分に足りないものを身につける為に武者修行へ。

2017年度決勝大会の様子。石橋君は緊張のあまり、固まってしまった。

事務局:なるほど、では決勝大会を振り返っていただけますか?

岡本さん:いやあ・・・。決勝大会は色んな感情が入り乱れまくってて・・・。今思い出しても悔しいです。

石橋さん:今でも覚えてますよ。2016優勝した下山さんがリーダーのsuNRIseと、結果的に2017で優勝したうとえ。本当にすごかった。

事務局:石橋くん、プレゼン本番で飛びましたよね?

石橋君が止まってしまった決勝大会プレゼンの様子。動画の1分頃に登場して早々にセリフが飛ぶのでご注目を。

石橋さん:えー、はい、頭真っ白になっちゃって。プレゼン中にチームメンバーに 「なんだっけ?」ってメンバーに聞いちゃいましたからね(笑)。

岡本さん:プレゼンの練習しまくってたんで、石橋以外は完璧だったんですけどね(笑)。でも、今思えば負けてよかったし、どんなにプレゼンうまくいってもあれで勝てるわけなかったんです。

事務局:ほう。というと?

岡本さん:僕ら、決勝大会に向けて無茶苦茶頑張ったんですよ。でも、頑張る方向性を間違えていた。プレゼンの見せ方ばかりに注力しちゃったけど、やるべき事はそこじゃなかった。僕らのアイデアって、アイデアの斬新さばかりに気を取られていて、アイデアに対して何の責任も持ってなかったんです。

事務局:アイデアに対しての責任というと?

岡本さん:実現に向けて本当に突き詰めたのか、ということです。僕らは「電子ペーパー製の衣服」という、聞こえはキャッチーなアイデアをプレゼンしましたが、それをどのように実現するか。市場に広めるためにどうするかはそこまで考え抜いていなかった。プレゼン上は聞こえのいいセリフを使ってはいても、言いっぱなしになっているだけで何のコミットもしてない。そこが甘かったです。

石橋さん:僕らが圧倒されたsuNRIseもうとえも、モックや試作品を実際に作ってきてて、プレゼンするアイデアに対して「実現する」覚悟みたいなのを感じることが出来ましたからね。

岡本さん:もうね、ものすごい「負けた」って感覚がありました。自分の未熟さ、誰かに負けた、という事を痛感した。でも、いいんです。負けてよかった。もしあれで勝ってしまっていたらこれでいいんだって勘違いしちゃってた。あれで鼻っ柱をへし折られたんです。僕ら、優勝したら100万円で六本木で豪遊するぞって言ってたんですが、決勝終わった後にガチの反省会しましたからね。渋谷の安い居酒屋で(笑)。

石橋さん:そうそう。もう、笑いも何もなしでほんとうに反省会。でもあれが僕にとっては人生の転機になりました。反省会でそれぞれの反省点も語ったんですが、それぞれのメンバーに対して「もっとこうしてほしかった」みたいなのを言い合ったんです。それで僕、それまでインターン経験もなかったしビジネスのビの字も知らなかった。自分がいかに何も出来ないかっていうのを反省会で痛感して、もっと修行しようと決意したんです。

事務局:決意というと?

岡本さん:石橋、それまでずっと賭けてたスキーの体育会を辞めて、長期インターン始めたんですよ。ビジネス経験をもっと積んで、それでまた三人でビジコン出ようぜって。

事務局:おー、それは熱い話だな・・・。スキーを辞めるのに葛藤はなかったんですか?

石橋さん:うーん、まあ正直、才能とかの限界も感じていたので、このまま学生生活のアクティビティとして続けることもできましたけど、一位にはなれないなと分かっていましたからね。それにビジネスの面白さを垣間見てしまった。自分がこれからやるべきことはこれだなと決めました。

岡本さん:それで石橋は長期インターンで武者修行を始めたので、僕ともうひとりのメンバーの二人もとりあえず色々やってみようってなって。毎月一本、新しいビジネスモデルを考えてその業界の会社にぶつけてみるって事をやり始めたんです。それぞれがそれぞれの道で頑張ろうぜ、と。で、僕ともうひとりのメンバーは就活時期が始まって。

石橋さん:僕はもう留年決まってたので2年生をもう一度やってインターンしてました(笑)。

岡本さん:もうひとりのメンバーは外資コンサルに決まって春からそこで働きます。それで僕と石橋は久々に再会して、一緒に起業しようと。

事務局:いいなあ、エモいなあ。では今やってる事業について教えてもらっていいですか?

男性のファッション意識を変えたい!SHALEの立ち上げ

キャリアインカレからSHALEまで戦ってきた二人の絆は強い。

岡本さん:男性向けファッションメディアである「SHALE」というWEB サイトを立ち上げて運営しています。僕と石橋が中心となりつつも、協力してくれる学生ライターとかもいて今、10人体制でやってます。

事務局:キャリアインカレもテーマはファッションでしたが、やっぱりファッションなんですね。

岡本さん:キャリアインカレの時にプレゼンした電子ペーパー製の衣服、やっぱりやりたいんですよね。今はメディアをやってますが、将来的には自分たちのブランドを作っていきたい。

石橋さん:なんでメディアをやっているかというと理由は2つで。まず男性のファッション意識を変えたいなって思ってるんです。Twitterで1,000人にアンケート取ったら、自分のことをださいと思っている男性は60%もいました。岡本もさっき言っていたとおり、最終的には僕らは自分たちのブランドを作りたいんですが、その前にまず男性のファッションに関する意識を変えないといけないよねってなって。それならメディアなんじゃないかと。

岡本さん:男性の多くは高校生まで制服で、社会人になってからスーツが多いじゃないですか。だから自分のセンスで毎日着るものをセレクトする期間って大学四年間しかない。それに中高時代も自分のお小遣いで自分で意思決定して服を買う男子って少ないと思うんですよね。母親が買ってくれるものを着ている人が多いんじゃないかと。自分の身銭切って意思決定しないと、センスなんて磨かれないです。実際、僕も高校時代とか滅茶苦茶ださかったですしね。

「滅茶苦茶ださかった」という岡本君の昔の服装

石橋さん:ということで、男性も自分のファッションに自信を持ってオシャレを楽しむという意識を育てたいというのがメディアを始めた理由の一つ。あともう一つの理由は、男性向けファッションメディアってそこまで大きなものがあんまりないんですよ。女性向けは誰もが知ってるファッションメディアって色々あるんですが、男性向けのものはない。

事務局:確かに言われてみるとメディアで思いつくものってあんまりないかもです。

石橋さん:そうなんです。でも決して男性向けファッション市場が小さいかというとそんなことはなくて。男性と女性のファッションの市場規模ってあんまり変わらない。むしろ単価でいくと男性の方が高い。女性は安くていいものをたくさん買いますが、男性は高い服を厳選して買う。決して男性が服装にお金をかけていないわけじゃないんです。だから、ビジネスチャンスは十分あるかなと。

事務局:マネタイズはどうやっていくんですか?

岡本さん:基本はアドですね。タイアップ記事広告とかの依頼もぼちぼち出始めています。僕が営業としてこちらから攻めるときもあれば問い合わせをいただくこともあって。まだまだこれからですが、手応えは感じられています。サイトパフォーマンスは右肩上がりで成長していて、そのへんは石橋がやってくれています。

石橋さん:インターンの時にグロースハックを経験していたので、その経験を生かしています。あとは僕、Pythonとかも書けるのでサイト構築とかもガッとやってます。

事務局:すげー!ビジネス経験なくてキャリアインカレ決勝で頭真っ白になっちゃった石橋くんが・・・!

石橋さん:成長したでしょ(笑)。でも男性ファッションメディアはコンテンツとマーケティング次第でまだまだ伸ばせると思っています。

事務局:他になにか、SHALEのここを見てくれっていうポイントはありますか?

岡本さん:HOW to SHALEというページを見ていただきたいです。ファッションに苦手意識がある人でも、簡単におしゃれになるための方法を7つのステップに分けて解説しています。 全てのメンズのおしゃれの教科書的な存在になることを目指しています!

事務局:なるほど。では最後に、これを読んでいる学生さんに何かメッセージありますか?キャリアインカレに興味を持っている学生さんやビジネスについて、など。

石橋さん:最初にも言いましたが、僕はキャリアインカレに人生を変えられたんで絶対にいい機会になると思います。変えられたというか洗脳させられたというか・・・。だって突然、「世界を変えろ」って言われるんですよ。勝ち進んでいくと数ヶ月、「どうやったら世界を変えられるか」ってずーっと考えてる。そんなことしてたら考え方とか意識とか、180度変わりますよ。実際僕はそれで体育会やめてビジネス修行してこうして起業しています。キャリアインカレで自分がこれから何をすべきかよく分かった。自分の解像度が上がったことで今がある。だからまだインターンやビジネス経験がない人こそ、最初のとっかかりとしてキャリアインカレはおすすめです。

岡本さん:ビジネスの面白さは、一人で優勝目指さなくてもいいところだなって思っていて。石橋はスキー、僕もテニスを学生時代にやっていたんですが、個人競技って一位になれないと意味ないんですよ。でもビジネスは違う。僕は営業で日本一にならなくてもいいし石橋も日本一位のグロースハッカーにならなくてもいい。でもチームで動いて拡大していくことが出来る。個人競技出身者としてはそれが面白いですね。

事務局:何かキャリアインカレのアドバイスとかありますか?

岡本さん:やっぱりアイデアに責任を持つ、という思考をしてほしいですね。それがビジコンとビジネスの大きな違いだと思いますが、ビジコンだってその思考法を徹底できれば僕らも勝てたかもしれない。でもあまりに現実的すぎてありきたりなアイデアじゃビジコンは勝てない。
達成できないかもしれないギリギリのアイデアを出せるのがビジコンの面白さなんじゃないかなと。

事務局:わかりました!ありがとうございます!僕もSHALEを読んで自信がもてるようになります

岡本さん:一緒に盛り上げてくれるメンバーも募集してるので、興味あれば是非ご応募ください!

プレエントリーはこちらから!

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