Vol.4|キトキン協会 大石さん

インカレに参加しているだけでは知ることのできない、インカレ「もうひとつ」のストーリーをお届けする本シリーズ。キャリアインカレに参加することで得たもの、成長したこと、参加前後の変化について探るべく、さらに個人にフォーカスしてインタビューしました。お話を伺ったのはキトキン協会のリーダー大石さん。昔から考えることが好きだった彼女は、キャリアインカレを経て、ある「進化」を遂げたそう。考えることそのものと向き合う大石さんに、その面白さをお聞きしました。

【お話をしてくれた方】※学年は、現在の学年です。
大石さん(東京大学 院1年生)
昨年度ファイナリストであるチーム「キトキン協会」リーダー。インカレへの参加は2度目になる。現在は大学院1年生。学生生活と両立しながらNPO法人を立ち上げ、幅広く活動を行う。

昔から大切にしてきた「考えをストックする習慣」

――早速ですが決勝大会を終え、大石さんは今どのように過ごしているのですか?

大石さん:4月から東京大学の大学院に進学していて、農作物を屋内でも育てる方法を探るために、木材の性質を研究しています。もともとは国際的な分野で学びたいと思っていたのですが、進学した静岡大学にはそういった分野がなくて。でも静岡大学は木材の研究が有名だと知って、せっかくならその分野を学んでみようと思ったんです。

――そうだったのですね。ということは、インカレ参加期間中に大学院の受験もされていたんですね。ちなみに国際的な分野を学びたいって思ったのは、どうしてですか?

大石さん:中学生の時に受けた社会科の授業で、世界の食糧問題の話を聞いて衝撃を受けたのがきっかけです。世界には十分な食物が生産されているのに、それが全員に行き届いていない実態を初めて知って。知らないだけで日本を含む世界には様々な問題があるんだな、ってショックを受けたんです。そこからは幅広く社会問題に関心を持って、考えるようになったんです。だから今学んでいる農学も、流通に頼らずに自ら生産できる環境づくりに向けて必要なことだと思って研究も頑張っています。

――なるほど、繋がりがあるのですね。インカレへの参加はどんなきっかけがあったのですか?

大石さん実は今回2度目の参加だったんです。前年もインカレにも参加していて、そのリベンジですね。最初は縁あって参加したインターンシップ先の方にインカレを教えてもらって、もともと考えることが好きなタイプだったので、今回もやる気まんまんでした。あとは、恋人でもある景山君を相方に誘い、一緒にインカレに出場することで彼に成長してほしいなって期待も込めて(笑)。

――そうだったんですね、ちょっと興味深い。(笑)正直、難しそうってイメージを持つ方も多いと思います。大石さんにとって「考える」ってどんなことでしょうか?

大石さん:昔から、普段のふとしたことをノートに書き留める習慣があって。生活していて自分が不便に感じたり不満を思うことがあったらそれを書いていくんです。そして「それってどうしてだろう?」とか「もっとこうしたらいいのに」と考えていって、自分なりの理想や解決策もどんどん書いていくんです。

――素敵な習慣ですね。ちなみに、どんなメモがあるか教えていただけますか?

大石さん:最初のメモは、2016年で、私が大学生になったときですね。「両側から開けられる筆箱が欲しい」とか書いています。(笑)きっと大学の授業中かなにかのときに、なかなかペンが取り出せなくて、それをメモしたんだと思います。

――なるほど、こういう経験あったかもです。(笑)大石さんにとって「考える」ことのどんなところが面白いと感じますか?

大石さん規模の大小限らず自分として「これ、いいかも!」と思う考えに出会ったときや、この世にないようなものを思いついた時には、ワクワクします。まだ誰も手にしていないものを得られたような気分になって気持ちがいいですね。それを求めて考えているのかも。

整理することで、悩みも不安も小さなものだとわかる

――そのご自身のメモって、誰かに伝えたり共有することはありましたか?

大石さん:いえ、普段アイデアを誰かに伝えるようなことはあまりしなかったです。相手の反応が薄かったり、否定されたら、やっぱりちょっと落ち込みますからね。(笑)だから今回のインカレでも、自分が温めていたアイデアをカタチにしていくために、マッチするテーマはなにかという視点で選びました。

――なるほど。それで生保協会のテーマにされたのですね。ただビジネスアイデアを考えるって、普段の考えるとは、少し異なるように思いますが、その点はいかがですか?

大石さん:たしかに、そうですね。普段なら「それいいかも!」と判断するのは私なのでその点での違いは感じていました。特にインカレは審査項目もあって、まず審査員に「いい!」って思ってもらう必要がある。それも提案するアイデアに関わる企業やユーザー、社会といった多くの視点でと捉えたにどんな価値をもたらすことができるか。考えることは盛りだくさんです。

――その点では苦戦されたのでしょうか?

大石さん:普段と異なる考え方をするのは大変というよりも、新鮮なことでした。自分たちのアイデアをより多くの人に「なるほど!」「それいいね!」と感じてもらえるために必要なことだと思うと、楽しんで取り組むことができました。

―面白がりながら考えられるのは驚きですね。とはいえ、考えが止まってしまうことってありましたか?

大石さん:考えが行き詰まることも、やっぱりありました。ただそれも楽しみながら出来ていました。ただ改めて気付いたこととして、私にとって考えが前に進まないということよりも、考える時間が無くなってしまう方が苦しく感じるんだなって。

――それは、どんなときですか?

大石さん:考えたいと思えるテーマや問題があっても、忙しくて時間が取れない時です。「あれも考えなきゃ」「これはどうしよう?」と、考えることがタスクのようになって時は心も荒れてしまいます

――なるほど。本当はとことん考えたいのに考えられない状況ということですね。その時のどう解消していったんですか?

大石さん:よく、状況を書き出して整理するようにしています。頭の中だけで考えていると、問題の全体像がつかめなくてそれが大きくて、大変なことに感じてしまいがち。だから余計に考えることが嫌になって、ついつい後回しになってしまうんですよね。だから私は一回書き出して、何が引っかかっているのか、なぜ考えが止まっているのか、いまの自分が置かれている状況を整理して把握するようにしています。そうすると、何を解決すれば前に進むのかがはっきりわかってきます。漠然とした不安も、整理することでそんなに大きなものではないと気が付けるから、おすすめです!

――あれ?その「漠然とした不安を分析してみる」って、今回のキトキン協会のアイデアと重なる部分がありますね。

大石さん:そう、あのアイデアは私の原体験がからできたアイデアでもあるんです。考えること自体は好きだけど、それに押しつぶされるのは嫌い。でもこれって私に限らず、漠然とした不安にどうしていいかわからず、心が荒れるというのは誰もが経験したことがあるんじゃないかなって。最終的には、景山くんの発案で「クラウドファンディング」と組み合わせて今回のアイデアが出来ました。

自分自身の限界に、一歩近づくことができた

――その一方、インカレでの取り組みによってご自身の弱点にも気づけたそうですね。

大石さん:そうなんです。インカレって長期間考え続けるものじゃないですか。振り返ってみると論理的に理解できることで、納得した気になってしまうことがあったなって。だから自分が感じたちょっとした違和感とかそういった感覚的なものも言語化してきちんと話し合うことの大切さも改めて感じましたね。

――インカレでの「考え続ける」経験から、ご自身の新たな一面にも気づけたのですね。ほかに気付きはありましたか?

大石さん:そうですね。気づきというよりはやっぱりね、と確認できたこともありました。それは他人の物差しではなくて、自分が納得するまでがむしゃらに頑張り続けるってこと。自分の限界を知りたいという欲求なのかも。(笑)どんな時もその時々のベスト尽くすようにしているから、結果はどうであれ「失敗」って言葉で終わらせないようにしています。とはいえやっぱり優勝できなかったのは悔しかったですが。それも次にどう活かせるかなって考えるようにしています。

――そう考えると、今回のインカレは大石さんにどんな機会になったのでしょうか。変化や成長を実感することはありましたか?

大石さん“変化”より“進化”という感じですね。インカレによってアイデア出しのスピードは加速したし、考え続ける筋肉はより鍛えられたと思います。自分の今立ち位置もわかり、良い意味で自分の限界に一歩近づくことができました。自分自身の更新のためにも、また参加したいと思える経験でしたね。

もっと本質的な課題解決に取り組みたい

――さて、いま大石さんが力を入れていることを教えてください。

大石さん:今年8月にNPO法人化した「Cafe de 寺子屋」の活動です。4月に学生団体を立ち上げて、小学生〜高校生の自学自習を支援する取り組みに力を入れています。これまで話していた内容から教育って、いきなりな感じがしますが、これも私が解決したいことのひとつなんです。

――冒頭にお話ししていた、解決したい社会問題の一つですね。

大石さん:はい。私の叶えたい夢は、すべての人が自分の意思で自由に生きられるようにすること。そのためには、あらゆる角度から社会問題に取り組みたいと考えています。自分の戦える領域が広がるほど、そのためにできることは増えると思うから、これからもどんなことにも意欲的に挑戦したいですね。

――最後に、インカレへの参加を迷っている学生さんに一言お願いします。

大石さん:ビジネスコンテストって言葉からは、ビジネスに興味がある人たちの機会と捉えられがちですが、それだけではないと思います。現に私たちがそうでした。例えば私のように、考えることが好きな人や多くの人を幸せにしたい人。景山くんのように、アイデアを出すことが好きな人や誰かを笑顔にするのが好きな人。どんな人でも一歩踏み出して挑戦してみるかどうかで、得られるものは必ずあるって思うんです。だからもし参加を迷っている人がいたら、自信を持っておすすめしますね。

――参加しなければ、ワクワクにも、後悔にも、新しい選択肢にも出会えないですもんね。大石さんの掲げるテーマが、今後様々なカタチで実現できることを応援しています!今日はお話ありがとうございました。

ありがとうございました!

>>ANOTHER STORY-ファイナリスト編-はこちら
>>Vol.4|キトキン協会 景山さんはこちら

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